「釣りなんて、魚を傷つけるし、やめたほうがいい」
こんな事を、釣りをはじめた昨年、知人に言われました。じつは「喉の奥に刺さった魚の小骨」みたいに気になっていた言葉。飲み屋で知り合ったおじさんは「好きでやってるんだからそれでいいじゃねーか」と酔っぱらいながら言ってくれて。重く考えるな、と。なんでそんな話になったかは覚えていないけど。
それでも「釣りなんて、魚を傷つけるし、やめたほうがいい」は正論な気もするし、何かが大きく間違っている気もする。言い返せなかった事が悔しいわけでもなく、説明して理解してほしかったわけでもなく、自分自身でも「あれ?なんで釣りだったんだろう」と、ふと思うのでした。
僕は、相模湖公園、桂川(※要遊漁券)、三領水門(荒川)と電車でひとり釣りに通っています。2014年、釣り歴半年、なんとかあげた自力の釣果は小さなブラックバスが2匹。寒くなってしばらくお休み。2015年になり、あたたかい季節、また釣りに行きはじめました。今年はたくさん釣りたい、そんな思いと裏腹に都内から電車で通えるところは難しい。なかなか釣れません。アタリさえない。
まったく釣れず、電車に揺られながら、ぼんやり「釣りなんて、魚を傷つけるし、やめたほうがいい」についても考えたりして。そもそもアタリさえないのに傷つけるもなにも、魚に遊ばれているのはこっちなのかも、なんて思ったりもするんです。
小さい頃、マウンテンバイクを買ってもらったことがうれしくて、釣り竿を括り付けて湖に行った事。友だちと釣具屋さんに行くのが楽しみだったこと。お小遣いで1000円近くするルアーを買ったこと。そのルアーを一投目で木に引っ掛けて無くしてしまったこと。野池で雷魚が釣れて友だちと大騒ぎしたこと。誰かが投げたルアーがマサト君という友だちの頭に突き刺さって大事件になったこと(帽子をかぶる大切さを知ったっけ)。釣りをしていると、こんな記憶がどこからともなくやってきます。
「なぜ釣りをするのか」なんてよくわからないし、そんな重い話でもなく。言葉で説明して理解してもらえるならやっていないし、意味なんてないから良いのかも知れない。釣れた一匹一匹、釣れなかった釣行に、たくさんの思い出ができて、出会いがあって。いろんな矛盾や不条理なことも起こって。一人で行く釣りもあるし、気のあう友だちと行く釣りもあるし、それぞれ。答えを探しに行く必要さえなくて、水面に糸を垂れれば、それがもう答えなのかも。なんて…すこし感傷気味になってしまいましたが、さあ今年も釣りに行こう!そんな気持ちを込めての初エントリー。今年もよろしくお願いします!!
あ、…管理釣り場で2015年の初バスを釣ってしまいました。ごめんなさい。
(2015年5月4日宮城アングラーズビレッジにて)
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