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    Yusuke Wada

    トップウォータープラグブランド「4s」のルアービルダー。
    トップウォーターバシングのみならず、渓流、ソルトウォーターまでルアーで釣れる魚は何でもいっちゃうタイプ。近頃はこだわりのスタイルとお気楽に出来るスタイルのバランスを考えてはいるが、意に反して日々増加中の皮下脂肪に葛藤している永遠の14歳。

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    DATE : 2014.08.29

    CATEGORY : at the PLUG-in


    さて、はじまりました!

    第一回「At the plug-in」!

    記念すべき初回に紹介する釣りに纏わる道具は

    一応私、曲がりなりにもルアービルダーの端くれですからルアーにさせていただこうと。

    私がもっとも尊敬するルアービルダーの一人、羽鳥静夫さん作

    「Smith/Hutley’s インナーハンド W.B」でございます!

    IMG_5116
    (左からインナーハンド12、インナーハンドW.B(プラスティック盤)、インナーハンド-W.B.-・ファイナルエディション・マグナム)

    いきなりですが、同じインナーハンドなのに何故たった3本でも種類がこうも違うのか?

    それはそのプラグが持つ30年以上からくる歴史から来るものでして、羽鳥さんが作ったインナーハンドの形は12種類あるそうなんです。
    この歴史を語るのに私めなんぞでは役が重すぎる!ということで、今回は特別にSmith社より、玉越和夫さん許可を得、色々とお聞きしましたのでその一部をご紹介!!

    ———-

    「インナーハンドWB:私が始めてインナーハンドを手にしたのは1970年代後半だと思います。
    「ちょっと使ってみて!」ってな感じで羽鳥さんから渡され、使ったらビックリ!すごいスライド幅で兎に角使い易くボロボロになるまで使って、羽鳥さんから「もう捨てなよ。」と言われて新しいのを頂いたりしてました。
    スミスで売った最初は1982年(僅かな量を)カタログに登場したのは1987年で84,85,86年あたりに売った色もまとめて載せました。 プラスチックは2000年春に発売しました。」

    僕が始めて釣り具屋で見かけたのは98年の事。
    その当時は高くて手を出せなったように記憶してますが、それまでにビデオを見ていて憧れのルアーとしての記憶があります。
    そしてその二年後にプラスティックバージョンが出る事になったのです…

    「ぶつけても気にしないでガンガン使いたいのでプラにしたい。との思いで羽鳥さんにお願いして開発が始まりました。
    ボディーの形状が中々出来なくて(羽鳥さんのOKが出ない)かなり大変でした。最終的には羽鳥さんに型屋さんへ出向いてもらい細かい指示をして型屋の社長さんが「分かった自分がやるから。」と言って手作業で仕上げてもらい、ようやくOKが出ました。
    微妙なカーブや凹みは機械では出来ず最後はベテラン職人の手作業が必要不可欠だったのです。ですから出来上がった製品は羽鳥さんから「ウッドとプラスチックの質感の違いを除けば、同じ感覚で使える」とお墨付きを頂きました。」

    ———-


    (玉越さんのサイン入り!宝物であります…)
    それまでにも他の機種でハトリーズのプラスティックプラグは市販されていたのですが、インナーハンドが出たときは「おお、ついにこれがでたのか!」と思ったものでした。
    重さ、大きさ、デザイン…どれをとっても非の打ち所がないプラグだとため息が漏れるばかり。その2秒後にはレジにさしだしてました。

    持ち帰り、早速使ってみたところ、とにかくよく動く。
    それまでに色々なペンシルベイトを使っていた自分ではありましたが、動かしやすいこともさることながら、驚いたのはこのプラグが水面で描く軌跡のなんと美しいこと!プラスティックでこれだから、ウッド版の方はもっと凄いんだろうな…と
    妄想が更に広がり、憧れがどんどん深まっていきます。
    それから魚を釣るのにそう時間はかかりませんでした。そして良く釣れた。

    次第にこのトップウォータープラグが何故釣れるのだろうと考えはじめました。
    確かに思い入れがあってよく使っていた、というところはあったとしても他にも使いやすいペンシルベイトはある。
    思いついて、そこで僕は秋口の港湾にてシーバスを狙ってみる事にしました。
    感覚的ではありますが、海の魚は食性でベイトを選んで捕っていると感じていたからで、サイズ的にはその頃入ってきたカタクチイワシに似たサイズであったことから「これは使える!」と思い持って行きました。

    すると予想通り!よく釣れた。他の同サイズのペンシルベイトでも釣れるには釣れたのですが、明らかに魚の反応が早い様な気がするのです。
    この差に気付けば話しが早い。動きをじっくり観察すると…
    「動き始めに一瞬水面から頭を潜らせて、その後スライドターンをする」
    というものでした。驚くのはその小さなボディでありながら多くの水を攪拌していることです。
    水面を魚が見上げている時、魚が見ているのは動いている物体もさることながら、その波紋。波動のことは良くわかりませんが、波紋に反応している事は確かです。
    気付けば、その波紋が魅力的でついついうっとりルアーを動かしている自分でありましたが、なんと魚も見入っていたということです!
    その時の相手はシーバスでしたが、魚の大小に関わらず秋口の港湾では良く釣れた。インナーハンドおそるべし!!

    それから数年、そんな経験を基にプラグ製作をしている僕は今や自分が作り出すルアーで釣りをすることが殆どになってしまった。
    それでも時々は、あの美しいスケーティングを見たいと10ポンドナイロンラインに柔らかいグラスロッドでインナーハンドを持って釣りをするのです。

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    TACKLE DATA

    ROD:Smith Bassmanic BM-60TL
    REEL:ABU GARCIA Ambassadeur PRO MAX 3600
    LINE:10lb-test NYLON

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