年に何度もないけれど、色々なピースがかみ合って全てがうまく行く釣りがある。
11月初旬、出張が続く日を前に休日に出社。資料をまとめて終わったのが8時すぎ。
iPhoneを立ち上げて潮をチェックすると、ここから下げが効いて来る時間帯。
「もうこのシーズンはそうそう行けないかも」
と思いたち、ちょっとだけ撃ちに行く事に。
広報車2号車(原付!)を準備。
短時間なので身軽で行きたいと思い、ネットは持たないつもりだった。
が、、、直ぐに準備できるのはいつものPE0.6の細糸タックル。
でもランカー用の大きなネットを持ち運ぶのはかなり納まりが悪い。
ふと思いついて、、、リヤのタックルボックスの横に差してみる。
「ピタリ!」固定もしっかり。ネットもばたつかない。
ロッドはホルダーに。これもピタリ。
駐車場の車から防寒着としてたまたま突っ込んであったノースフェイスのレインウェアを羽織って出陣!
少しだけ小雨がぱらつく天気だったけど、さすがにこのレインウェアは相当良く出来ている。
袖口や襟元などは細やかな調整ができることで、雨や風をしっかりとブロックしてくれる。
これは安価なレインウェアだとこうはいかないもの。
バイクに乗っていても不要にばたつかないせいでストレスがない。
自分の中では下げ潮時に実績が高いポイントに到着し、水面の様子を見るとそれほど生命感はない。
ただ、潮が動き出すタイミングではある。
海の静かな時は波動を出すルアーがセオリーだとは言うけれど、あまりの水面の静けさに、アピール系のルアーの使用は躊躇した。
選択したのはDUEL-80S
本来は水面からせいぜい1m程度を探るためのシンキングペンシル。
ゆっくり引くと殆ど体をくねらせずに姿勢を保って泳いで来るルアー。
護岸の水際から3mくらい離れてキャスト。
カウントダウンはたっぷりと20秒でだいたい底のようだ。
船が通る場所はそれなりに深い。
フルキャストしてカウントダウンは15秒で、浮き上がらない様にデッドスローで潮にルアーを乗せる。
一投げごと、少しずつ動きながら20分程度が経過。
普段ならここで攻め方を変える。気は短い方だから。
ただ、この日に限っては他のアプローチを試す気には慣れなかった。
そして、少し移動距離を大きくしてキャストしたルアーをゆっくりと足下迄リトリーブして、もう岸際数メートルの場所まで来た所で少しだけリーリングを止めてルアーをステイさせて動きを止めた。
「ゴン」という。衝撃が伝わった瞬間、左手が反応してベイルをフリーにした。
足下でのヒットはキャッチ率が低い。短いラインでルアーを上に向いた状態でアワセることになるので、口からすっぽ抜けちゃうから。
これを防ぐにはドラグ設定を緩めておくしかないのだが、そうするとフッキングが決まらないで逃げられることにもなる。
何回もの悔しい経験値が、この行動を産んだのだと思う。
シーバスは永遠に走る魚ではないので、暫くするとラインはゆっくり出て行くようになる。
ドラグを緩めてベイルを返す。再びドラグを締め込みながら、大きくゆっくりとアワセる。
急にテンションがかかって驚いた魚は沖へと逃げて行く。ここからは落ち着いてファイトすれば大丈夫。
魚のサイズも想像がついた。ストラクチャーはない場所なので、ゆっくりと寄せて来る。
ネットを伸ばして掬った魚は60cmくらい。本当に元気の良い、美しい魚体のシーバスだった。
・もし、ネットがなかったら
・もし、ウェアがしっくりこなくて集中力をきらしていたら
・もし、潮のタイミングがあわなかったら
・もし、ルアーをローテーションしていたら
・もし、攻めるレンジが違っていたら
・もし、ベイルがスムースに返らなかったら
きっと獲れなかった魚。
サイズはランカーには全然至らないけれど、自分にとっては全てが完璧に組み合わさって獲れたシーバス。
ちなみに、この後同じ攻め方で同じ様に足下でヒットして、サイズが小さかったので強引に抜いたら落ちました。
教訓生かされず(笑)
そして、ここで納竿。
実釣はだいたい1時間程度だと思いますが、気持ちはとても満足しました。
ごくごくたまに、だけど、こうして釣りの神様はプレゼントをくれる。
爆釣しなくても、サイズが少し小さくても、沢山の悦びをこうして与えてくれる。
この素晴らしい世界を是非、釣りをした事がない人にも共有できたらいいと改めて思った秋の夜の出来事。
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