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    Shota

    パックロッドを中心に、ライフスタイルとしての釣りを提案するメーカーHuerco(フエルコ)に所属しながら、世界各地を釣り食べ歩くフィッシングピーターパン。厳しい釣りを強いられても、持ち前のハッタリと語学力で切り抜ける「適当さ」が武器。BIGFISH1983ジャパンアンバサダー、Rマジック・TONEDTROUTプロスタッフ、Patagoniaプロセールスプログラム。ネギとタマネギが食べられない。焼きそばはペヤング派。

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    中禅寺湖ノスタルジア a surprising day

    DATE : 2016.05.18

    CATEGORY : トラウト, 国内釣行


    BURITSUを読んで頂いている皆さんこんにちは、ショータです。
    すっかりご無沙汰になってしまいました。と言うのも、ひょっとすると僕の個人ブログをご覧の方は知っているかもしれませんが、4月1日に中禅寺湖が解禁してからというもの、イベントや取材以外の空いている時間は、なるべく中禅寺湖に費やす様な生活。さらに言い訳としては、「今度ドラマが起こったら書こう!」みたいな事を言っていたら、なんか毎回ドラマみたいな感じの釣行だったのでついつい更新が、、、

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    先月キャッチした自己記録

    しかし前回の釣行もある意味サプライズであり初体験でもあったので、その日のドラマを中禅寺湖に通っている「ある1日」として紹介したいと思います。ここ2年ほどガッツリとハマってしまったこの湖の魅力を少しでも伝えることが出来たら嬉しいです。

    ゴールデンウィークのプレッシャーも残る5月7日。この日は栃木の釣り仲間である三浦氏とともに、あるプロジェクトの下見も兼ねての釣行。いつも通り越後屋さんで回数券を日釣券に交換し、車が停まっていないエリアを探して夜明けを待ちました。ポイントに早めに到着し、あーでもないこーでもないとその日のプランを話したりするのも楽しみの一つ。

    今年は長年この湖を釣っているアングラーの方に聞いても、早い段階からワカサギの数が多く、しかも大量に接岸していると聞きます。この日も時折ワカサギを襲う捕食音が所々で響き、早朝から雰囲気は抜群。しかし今僕がレイクトラウトを狙う釣りは、岸から70mほど遠投した後、そこから20m~30mほど沈めてボトムから狙うスタイルなので、岸際でワカサギを追いかけ回す魚は実はそんなに関係なかったりもするのですが、生命感があるに越したことはありません(笑)

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    太陽が昇る頃、まずその姿を見せてくれたのは50cmジャストぐらいのレイクでした。沖のディープから感じ取るアタリ、そしてフッキングで重みが乗った瞬間にはまだサイズが読めないスプーンの釣り。毎回この瞬間はドキドキするものです。あまり大きな魚ではありませんが、ワカサギを飽食しているらしくスタイルは抜群。黒ずんだ首元が何とも野性的でゾクゾクするのですが、この手の話はあまり人に理解されません…

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    ひとまず魚は触ったし、ポイントを休める意味でも休憩は大切なので、ここでコーヒーブレイク。いつもではないのですが、この日は良い豆が手に入ったので、コーヒーミルも持って行き湖畔で豆を挽くところからスタート。実はこの時間がこの釣りの一番の魅力でもあります。釣れてない時こそ余裕を持つこと。実は去年も今年も大型が釣れたのはコーヒーの直後なので、そんなイメージが刷り込まれているのかもしれませんね。

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    相変わらずワカサギを襲うボイルは断続的に続き、いろいろと試したものの反応は無し。眠気にも耐えらないので、ここでしばしのシエスタ。暖かい日だったので車には戻らず、平らな岩を探してその上でぐっすりと眠ってしまいました。ランチは最近すっかりお気に入りのレークオカジンさんの朝定を頂き、ポイントを移動してからまたのんびりと豆を挽きます。少し日が陰り始め、弱い風が吹き出した頃、ドラマに向けた釣行第2部がスタートしました。

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    しかしそう簡単には釣れてくれません。反応がないまま2時間ほど経った頃だったでしょうか。朝ワカサギを追いかけていた魚達よりも明らかに大きそうな魚のボイルが始まりました。きっと魚からもこちらの気配を感じるのでしょう。少し歩くと、さっき立っていたまさにその岸際で「バシャッ!」と大きな音を立て、ワカサギのサイズがいつもより一回り小さいせいか、なんとなく投げる8cmほどのフローティングミノーには全く目もくれないる狡猾なトラウト達。

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    時々群れからはぐれ弱ったワカサギが水面に漂う

    そこで車に積んであった管釣りタックルボックスから5cmクラスのミノーを取り出し付け替えます。ボイルしている少し沖目に投入し、糸ふけを取りながら小さなルアーの位置を確認。カラーはクロキンなのでまあまあ見づらい(笑)

    「まあそんないきなり食ってくる訳ないよな」動かしたら見切られると思いつつも、この放置プレーが苦手な僕。スプーンに持ち替えたいなぁなんて視線をずらそうとしたその瞬間、ちょうどルアーが浮いているであろう場所の水面が割れ、反射的にロッドを立ててテンションをかけると、まるで掛かったルアーを弾き飛ばそうとするかの様にジャンプを繰り返す魚。

    5秒も放置出来なかったので、「ホットケ釣法」と呼んでいいかは分かりませんが、この日はそれまで同じ方法で釣れていなかったので同行した三浦氏も半信半疑。「え、食ったんですか!?」それもそのはず、なんだか掛けたこちらもどこか現実ではない様な不思議な感覚なのだ。ひょっとしたらこのまま釣れずにお終いか?そんな沈黙を突然破り、一気に非現実へと引き込まれてしまう。これだからやめられない。

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    管釣りルアーなのでもちろんフックはシングルバーブレス、しかも細軸。早くランディングしたい衝動を必死に抑えながら慎重にファイトし、やっとネットに滑り込んだ魚は58.5cm(60cmいったかと思ったので何度も測ったため正確…)、回遊しているタイプとはまた違った黄金色の体躯にしばし見とれるのでした。サプライズ!

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    結局、今回初めて中禅寺湖で釣りをした三浦氏には魚は釣れませんでしたが、この素晴らしいロケーション、そして僕の愛情が詰まった美味しいコーヒーに満足してくれたみたいで、今後一緒に展開していくことになりそうなプロジェクトの動画撮影も中禅寺湖に決めてくれた様子。こうしてまんまと、仕事と題して釣りに行く言い訳を増やせた僕としては大成功な釣行。綺麗な写真もたくさん撮ってくれてありがとう!

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    時は明治に遡り、まだルアー釣りもフライ釣りもなかった時代に西洋人によって持ち込まれた魚たち。
    それまでこの湖には魚が生息していなかったそうです。今でも湖畔にはヨーロッパ各国の大使館別荘の建物が残り、その厳しくも美しい自然の様相は、過去に訪れたスコットランドの湖のようで、僕にはどこか懐かしくも感じるのです。

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    その昔、ここに鱒を放ち、ヨーロッパの釣りの文化を伝えたハンス・ハンターやイギリス商人トーマス・グラバーたちも、この湖畔に立ち、故郷とは遠く離れたこの場所を懐かしいと感じていたかもしれない。古いお寺や町並みを見て悠久の時に思いを馳せるのにも似た一種のノスタルジー。それは日常からの大脱走には欠かすことの出来ない重要なファクターの一つだと僕は思う。

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    参考アイテム

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    TACKLE DATA

    Spoon tackle
    ROD: Glissando90, TULALA
    REEL: STRADIC4000, shimano
    LINE: PE(1)
    LURE: M.T.Lakes 23g

    Minnow tackle
    ROD: Staccato76, Harmonix
    REEL: BIOMASTER C3000HG, shimano
    LINE: PE(1)
    LURE: MM Minnow58F

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